毎日のニュースの入手先も,大切な友人の消息を知るのも,大事な就職先を見つけるのも,彼女へのプレゼントを探すのも,全部全部,ブラウジング・ウインドウの中だ。「生活」は,ブラウジング・ウインドウの中にある,すべてある。それこそが,私の「生活」であるのだから。
2Ce社は,キューブの内側の壁面にウェブサイトが表示されるようなブラウザ「2Ce」をコムデックス/秋展示会でデモしている。2Ceは,6つのブラウザウインドウを1つのウインドウで扱える。3Dウェブ・インターフェイスはこれまでも何度か試みられてきたが,2Ceはより自然で使いやすくなっている。
2Ceのウインドウを見た瞬間(WIRED NEWSの画像),とても心動かされた。実際に使い物になるかというとならないと思うが,モニタという四角四面の切り抜かれた世界ではなく,ひとつの事象として,ウェブをとらえられる。求めている理念はタブ型ブラウザでもこなせるものだが,より直感的である点は,便利さとかそんなものよりも,感覚的にうれしくさせる。
実際,仮想スクリーンが現実化したら,自分の目の前にこのようにブラウジング・ウインドウをいくつも配置し,そのひとつひとつをたぐり寄せ,遠ざけながら,次から次と泳いで行くことになろう。手のひらをかざすとその場所にスクリーンが開く,サイト名を口にすると,そのサイトが表示される。そしていつしか,そのウインドウは拡張を始め,私の身体を取り込んでいく。そこで,私たちは「生活」する。すべての生活は,ここにある,んだったら。(たとえば,こんな風景)
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